第2621回例会 クラブ協議会「ガバナー訪問」

担当:前田賢一会長

第2780地区 ガバナー 渡辺治夫様(横須賀RC)


最初にゲイリーC.K.ホァンRI会長のプロフィールをご紹介いたします。

ホァン会長は、1945年中国南部生まれ、台湾育ちです。
米国のイースタン・ミシガン大学を卒業。
現在は新光セキュリティー会社の名誉会長となっておられます。
1976年 31歳の時に台北市のロータリークラブに入会され、その後地区ガバナー、RIの理事、副会長、各委員会の委員長を歴任されました。
コリーナ夫人との間に、息子さんが1人、娘さんが2人おられ、全員がメジャードナーでいらっしゃいます。
コリーナ夫人は、台湾に生まれ、大学では文学を学ばれ、現在は画家として大変活躍されていらっしゃいます。

ゲイリーC.K.ホァン会長の掲げた、本年度RIのテーマは「LIGHT UP ROTARY」(ロータリーに輝きを)であります。
「世界では常に多くの人々が助けを求めています」と述べ「537名のガバナーで、解決に向けて動き始めましょう」と呼びかけました。
「世界には問題が山積みですが、"自分には出来ない"と言って、何もしなければ、暗闇のままです。その暗闇にロウソクを灯すのがロータリーです。
私が一本、あなたが一本。こうして、120万人の会員全員がロウソクを灯します。力を合わせれば、世界を光で輝かせることができるのです」と説きました。
「ただ座って暗闇を嘆くよりも、ロウソクを灯したほうがいい」という孔子の言葉に感銘を受け、ホァン会長は、「LIGHT UP ROTARY」(ロータリーに輝きを)をテーマとすることを発表したのです。
ホァン会長は、このスピーチで本年度のテーマを発表するとともに4項目について言及されました。

それは

 1.会員増強について
 2.寄付について
 3.ロータリー・デイの開催について
 4.ポリオ撲滅について

の4項目です。

1.「会員増強について」
世界の会員数を120万人から130万人に増やすという目標について話されました。「活気あるクラブを築くために、まず新会員を迎え入れることから始めよう」と呼びかけ、女性会員の必要性については、ロータリアン全員の伴侶の方々もロータリアンであるべきだと提案されました。

2.「寄付について」
ロータリーに関係する全員は、ロータリー財団の恩恵を受けており、従って全員で財団を支えなければいけないと、寄付の必要性を述べました。

3.「ロータリー・デイの開催について」
地域社会での「ロータリー・デイ」の実施、各地区ローターアクトやインターアクトメンバーと一緒に奉仕プロジェクトを実施することを呼びかけました。

4.「ポリオ撲滅について」
今の勢いを保てば、2018年までにポリオを完全に撲滅する。ポリオを撲滅すれば、ロータリーが偉業を成し遂げる力を備えた組織であることが実証されるのです。

このテーマに基づいた、第2780地区本年度の取り組みについてお話しをさせて頂きます。次の3点

 1.会員増強
 2.公共イメージと認知度の向上
 3.寄付の獲得

を重点実行目標の3本柱に据え、実現したいと存じます。

1.会員増強としては

会員増強、会員増強、会員増強!と私達は耳にタコが出来るほど聞いて
います。
一方では

 ・うちのクラブの会員数はこれで充分だ
 ・今の人数で皆仲良くやっている
 ・今の人数で奉仕活動も楽しく出来ている
 ・会員を増やして今の状態を変える必要がない
 ・闇雲に会員を増やすのは考え物で、量より質を重視したい

と言うご意見を耳にする事があります。
これらは、クラブにおける活動が順調に行われている事の表れであり、また「量より質を重視したい」というご意見も正しいと思います。しかしだからと言って会員増強は必要ないという事はありません。そして「質」も大切ですが、時として「量」が大切な事もある。「数の力」も必要なのです。

その大きな理由を2つ挙げると
まずその第1は「このまま減少して行くと第2780地区の会員は27年後に〝0〟になる可能性がある」という事です。

日本ではこの10年間で26%減少であり、第2780地区については28%減少です。この減少率に歯止めがかからなければ、27年後に2780地区の会員は〝0〟になる可能性があります。
その様な状況の中で、一昨年の菅原年度は38名の純増、昨年の相澤年度は90名の純増2年間で128名の純増と素晴らしい実績で会員を増やしております。
しかしながら一昨年の退会者は169名、昨年の退会者は137名と退会防止は思うに任せません。
つまり、この2年間で306名の退会があります。もし、一昨年、昨年の退会者がゼロだとすれば、菅原年度では207名、相澤年度では227名、合計434名の純増だったのです。退会防止を推進すれば、いかに大きな会員増強となる事が分かります。

第2は「会員減少により、ロータリーは有効な活動が困難になる」という
事です。
会員減少が進みますと、ロータリアンであることの価値が低下し、そしてクラブの影響力も低下し、有意義な活動は困難になります。発展、強化して行くために「量」、つまり「数の力」がどうしても必要になる時もあるのです。

世界には、この10年間会員を着実に増やしている国がございます。
ドイツ、イタリア、スイスの3カ国ですが、これらの国では、ロータリークラブの基本的な理念や魅力が正しく理解され、実践されているからこそ会員が増えているのではないでしょうか。つまり基本的な事こそが大切と言えるでしょう。

「量」と「質」の問題に関連いたしますが、はじめから、素晴らしい人材を入会させるのが理想です。しかし、私達の手で入会させた方を素晴らしいロータリアンに育てるという意識も、持つべきだと思うのです。企業において必要なものは「人・物・金・情報」です。
この中で最も重要なのが「人」です。そして「人」を育てられるのは、「人」だけ。
同じ様に「ロータリアン」を育てられるのは「ロータリアン」なのです。

去年まで、慶応義塾大学野球部の監督をしていた江藤省三氏は、元巨人や中日で活躍したプロ野球選手でした。
江藤監督は4年間で、東京六大学野球春季リーグ戦優勝を2年連続で成し遂げるほどチームを強くしましたが、江藤監督が行ったことは、プロの技術を伝授したわけではなく、「素振りの数を増やした」だけだったのです。
基本というものが如何に大切か分かります。
ロータリーも基本的精神に忠実に行動する事が大切であると思います。

それでは、2014-2015年度 第2780地区の会員増強における具体的な実行目標を申し上げます。

①退会防止を強化したい
退会者の主な理由を挙げます。

Ⅰ.病気
Ⅱ.死亡
Ⅲ.老齢のため
Ⅳ.家庭内の問題
Ⅴ.仕事上の問題(役職の定年、転勤)
Ⅵ.経済的な理由(金銭的負担の問題)  
Ⅶ.クラブ内の問題(親睦の欠如、会員自身の認識不足、会員間のトラブル)
Ⅷ.ロータリー情報の欠如

この中で、Ⅶ.クラブ内の問題(親睦の欠如、会員自身の認識不足、会員間の
トラブル)Ⅷ.ロータリー情報の欠如について解決の為の行動をとらなければいけ
ないと思います。
a.新会員の情報教育は情報委員だけに任せずクラブ会員全員で当たる。
b.新会員には、すぐに役割を与える。
c.推薦者は永久的に、その会員のスポンサーとなり、責任を持つ事。
d.例会の雰囲気を楽しいものにし、新会員に気を配る事。
e.入会前に推薦者が候補者の家庭を訪問し、あらかじめ夫人の理解と協力を求める事。
f.ロータリーはまず、家庭からだと言う事を忘れてはいけない。
g.メイクアップを推進して、他クラブを勉強させる。

 退会防止の推進において、以上の行動をとってほしいと思う。
 
要は、コミュニケーションが大切と言う事です。
危険が伴う登山においても「なんでもない挨拶」が大事だそうです。
 日本の有名な登山家である湯浅道男(ゆあさ みちお)は、自らの登山経験の中か
 ら興味深い言葉を残しています。
それは「朝起きたらオハヨウと大きな声で挨拶するパーティーは事故を起こさな
い」という言葉です。
私達も、お互いに良い挨拶を交わし合いましょう。そして、新会員には積極的に声
をかけコミュニケーションを良くしてまいりましょう。

②Eクラブを立ち上げたい。
インターアクト・ローターアクト・財団奨学生・米山記念奨学生・平和フェロー等々からより多くのロータリアンを誕生させる。
会員増強の大きな期待ができる。
また、皆さんの中で、各グループ1名のEクラブ会員の推薦をお願いしたい。

③ローターアクト会員の増強をしたい。
当地区には、相模原・鎌倉・横須賀・小田原城北と4つのローターアクトがあります。
会員数は、相模原13名、鎌倉8名、横須賀7名、小田原城北8名で合計36名
います。
ローターアクトの会員数を増強することが、ロータリーの会員増強につながります。

④女性会員の拡大をしたい。
世界120万人のロータリアンの内 女性会員は、22万人で全体の、僅か18.3%です。
日本のロータリアンは88,030人で、女性会員は4,242人 4.82%、第2780地区のロータリアンは2,245人で女性会員は171  7.62%でございます。
当地区の女性会員の割合を10%にしたいと思いますので、会員225名純増の内74名の女性会員拡大を目標と致します。

⑤40歳代会員の拡大をしたいと思います。
第2780地区会員構成を世代別に申し上げます。
 20歳代 0.1%
 30歳代 2.1%
 40歳代 17.0%
 50歳代 22.1%
 60歳代 30.8%
 70歳代 20.9%
 80歳代 6.2%
 90歳代 0.7%
 でございます。

当地区の30歳代会員の割合を5%に、40歳代会員の割合を20%にしたい
と思いますので、会員225名純増の内、30歳代を65名、40歳代を69名にし
たい。
    
⑥新会員に対してカウンセラー(スポンサー)方式を取り入れて行く。また、全員で新会員に気を配る。

⑦クラブ会費の見直しを行う。
 
⑧クラブ例会の開催日、時間の見直しをする。

⑨クラブ会長の熱意、姿勢が重要であり、意識高揚を図って行く。

⑩退会者の再入会を期待して、週報を送る。
(退会時の理由について検証し、ターゲットを絞る必要がある)

2.公共イメージと認知度の向上については

①ロータリーって何をする団体?


②1分間でロータリーの魅力を説明できるようにして行きたいと思います。
ある日、エレベーターの中で「ロータリークラブとはどのようなものですか?」と聞かれたことがありました。私はロータリーの素晴らしさを伝えようと話をしましたが、話が全部終わらない内に、エレベーターは1階に到着してしまい、その方は行ってしまいました。
ロータリーの素晴らしさについて、1分間で話せることの必要性を感じたのです。

③ロータリーの「陰徳の振る舞い」から「公共イメージと認知度の向上」への
   意識改革を推進する。

④ロータリー・デイを設けたいと考えます。
地域社会の人々に、楽しみながら情報を学んでもらうイベントを催してロータリーを紹介するというもの。

クラブ入会への関心を持ってもらい、ロータリーについてより良く理解してもらえる機会です。
例えば、・野外でのピクニックやバーベQ大会・スポーツ行事やコンサート
等が考えられます。
また、地域におけるイベント等にロータリーマークを掲げて積極的に参加したい。
そして、色々な広告媒体を通して、ロータリーの認知度を高めたいと思います。

⑤ ロータリーバッヂ着用を徹底してまいりたいと存じます。

3.寄付の獲得については

①米山奨学金 寄付 1人20,000円以上
②財団寄付 1人200ドル以上 
③ポリオ寄付 1人40ドル以上
現在ロータリーは世界ポリオ撲滅推進計画に参加して活動しています。

国際ロータリーは昨年、3年間で7.500万ドルの寄付をすることを国連の場で表明致しました。
この金額は単年度で2,500万ドルです。第2780地区が属する第2ゾーンには90万ドルの寄付要請があります。
これを9グループで分担すると10万ドルになります。当地区ではこのうちの2万ドルはDDF(地区財団活動資金)から負担する事になりますので、単年度では皆様のご協力により8万ドルを集めることが必要です。このための寄付目標額として一人当たり40ドルのご協力をお願いすることになります。

ポリオの常在国及び常在国以外における、昨年1年間と今年1月~7月15日とのポリオ症例数の比較をすると
パキスタン 93から94
アフガニスタン 14から8
ナイジェリア 53から5
赤道ギニア 0から5
イラク 0から2
カメルーン 4から3
シリア 35から1
エチオピア 9から1
ソマリア 194から4
ケニア 14から0
と増えている国、減っている国がありますが、世界合計では416から123に減っています。
とは言っても、まだ123の症例数があるのです。この123をゼロにするためにも、一人40ドルの寄付が必要なのです。

④ベネファクター1クラブ1名以上 
・会員50名未満のクラブは  1名  
・会員50名以上のクラブは 2名
・会員100名以上のクラブは  3名
  
でございます。

ロータリアン一人一人からの寄付は、世界中で有効に使われています。
寄付は何故必要なのか?
世界中にたくさんの助けを求める人々がいるからなのです。

また、私達が活動する上で忘れてならないのは「戦略計画」です。
ロータリーの「戦略計画」は、3つの戦略的優先項目

「クラブのサポートと強化」「人道的奉仕の重点化と増加」「公共イメージと認知度の向上」を掲げ、その下に16の目標を定めています。そして、その中心には中核的となる価値観「親睦・高潔性・多様性・奉仕・リーダーシップ」があります。

「戦略計画」につきましては、ガバナー補佐の方からもお話があったことと存じますので、詳細については申し上げませんが、「戦略計画」の重要性を十分に理解していただきたいと存じます。

ロータリーも時代の変化に対応していかなければいけません。従って、「魅力あるクラブ」の模索や追求は、恒久的なテーマといっても過言ではありません。

現状に安住するのが一番楽ですが、それは一番良くない事です。より魅力のあるクラブを作るために、勇気を持って挑戦しましょう。
ポールハリスは、1935年に「ロータリー物語は時代とともに何度も書き換えられるでしょう」と言っています。
時代に対応せよと言っているのです。

イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンは「この世に存続、繁栄する生物は、最も力の強いものではなく、最も知性の高いものでもない。それは、最も変化に対応できるものである」と述べています。
時代の変化に対応して、新しいロータリー物語を作っていくのは私たちなのです。

また、ロータリー財団の創設者である アーチC.クランフ1916年~17年度RI会長は、「明日のロータリーがどのようなものに なるのかは、誰にも予測できない。
しかし、ただ一つ確かな事は、明日のロータリーが今日のロータリアンの行動に掛かっているということだ。」と述べています。
明日のロータリーは、今日の私達の行動にかかっているのです。

以上本年度の取り組みをお示ししてまいりましたが、もう1つ私は皆様とともにロータリアンとしてどう生き、どう考え、どう行動し、どう感動するかを追求して行きたいと思います。


そこで、LIGHT UP ROTARY「ロータリーに輝きを」が本年度のテーマですが、私は更に、LIGHT UP MYSELF「自分自身に輝きを」を第2780地区のサブテーマとして挙げたいと思います。
これは、ロータリアンの皆様一人一人が輝く事で、クラブを輝かせる事が出来ると思うからです。

その為の、自分自身の行動指針としてはロータリー活動において「五つのカンドウ」を皆様と共有し、かつ実践してまいりたいと存じます。
「五つのカンドウ」

一、感 動  一生懸命(一所懸命)奉仕活動をしよう
二、歓 働  歓んで奉仕活動をしよう
三、汗 働  汗をだして奉仕活動をしよう
四、貫 道  奉仕活動を貫こう
五、環 働  輪になって奉仕活動をしよう

でございます。

皆さんと一緒に、この「五つのカンドウ」を共有し、実践してまいりたいと存じます。
そして、私達一人一人のLIGHT UP MYSELF「自分自身に輝きを」で、LIGHT UP ROTARY「ロータリーに輝きを」を達成させましょう。

第2780地区 2014~15年度「地区大会」が、10月18日(土)・19日(日)に開催されます。是非とも地区ロータリアン全員、そしてそのご家族の方のご参加をよろしくお願い致します。

最後になりましたが、皆様のお力添えを切にお願い申し上げまして、私の話を締めくくりたいと存じます。ありがとうございました。

クラブ会報・IT委員会 2014年 8月 26日 火曜日 | | 例会