第2658回 例会 卓話 「ワイン」

講師:ソムリエ 鳴海圭介様
(オークラフロンティアホテル海老名)
担当:三宅壯平君

ソムリエの仕事は、料理に合うワインやお客様の好みに合わせたワイン選びをお手伝いするのが一番の役目ですがそれだけやっているわけではありません。料理を提供したり、お会計をしたり、はたまたトイレ掃除をしたりと・・。なんでもやります。

そもそもソムリエの定義は、飲み物全般をサービスし、それらを管理すること。したがってワインに限らず日本酒・ビール・コーヒーに水など全ての飲み物のサービスをするためにお客様に代わって知識を習得し、適切なアドバイスをし、たのしいひと時を過ごしていただけるようあらゆるアシスタントをするのが重要な役目。

しかし、ワインに限っては「難しい」「硬い」などのイメージがおありのようで、マナーやルールを知らないと恥をかくと思われている。ワインも日本酒やビールのようにうんちくを語る前に自由自在に楽しめばいと思います。  (氷で割ってみたり、湯呑みで飲んでみたりと・・。)

しかし、うれしいことに、ここ10年日本人全体のアルコール消費量が下がっている中で、ワインの消費量は9年続けて伸びているという。いわゆるブームではなく定着してきたわけです。

というわけで今日お話させて頂くお題としましては、月に一回ワイン会を開催しています。その中で「ワインについてのよくある質問」の上位いくつかを用意してきました。それを引いて時間の許す限りお伝えしていきたいと思います。

①高いワインはなんで高いの?
収量の制限、樹齢の高さ、日当たりの良さ、畑の南向き、ライムストーン土壌、専門家の評価により値段が上がる。

②そもそもワインってどうやって造っているの?
原料ブドウの実は白い。従って絞ると白いジュースが出来る。それに酵母を加えて発酵させアルコールと炭酸ガスが発生する。炭酸ガスが抜ければワインとなる。赤ワインは黒ブドウの皮を数日浸し皮を取り除いてから発酵させるので紫色になる。ロゼも赤と同じだが少し色が付きロゼ色になっきたとろで皮を取り除き発酵。

③贈るワインの選び方
1,000円から3,000円までのワインは当たりはずれがあるので難しい。3,000円以上ならば大概良いワインに巡り合う。5000円以上なら当たり外れはない。ビール好きならスパークリングワインを、日本酒や焼酎・ウィスキー好きなら辛口白ワイン。赤ワインは渋みなど構成要素が多いため難易度が高いので赤ワイン好きならそうでなければ避けたほうが良い。お祝いならシャンパン、泡の小さな音はまるで天使の拍手。おすすめはフランス・アルザス地方のゲヴェルツトラミネール、ライチとバラの香りが特徴、ライチのように甘い生活とバラ色の人生を願って・・。

④料理とワインの合わせ方
家庭では色で合わすとよい。食材の色とワインの色で合わすと必然的に相性も良い。例えば魚、白身魚は白ワイン、サーモンはロゼワイン、カツオは赤ワイン。肉だとチキンは白ワイン、牛肉は赤ワイン。味付でも変えていく、ポークで例えると生ハムの冷製サラダ柑橘ドレッシングなら白、ポークピカタトマトソースならロゼ、とんかつソースなら赤といった具合に。

⑤ホストテイスティングって?
ゲストに劣化したワインをお出ししないようホストがその味をチェックすること。自分の好みに合ったものかどうかを味見するものではない。ソムリエがいる店ならコルクを嗅いだ瞬間に劣化しているか分かるので別もモノに変えてくれる。ソムリエが劣化していないと判断された場合はグラスに少量を注いで「テイスティングお願いします」と言ってくる。これは劣化していないけれど念のためチェックしてもらうという意味合いなので難しく考える必要なない。香りを嗅ぎ「結構です」と返答すればよい。この劣化はカビ臭がするので誰でもすぐ分かる。

⑥スーパーでのワインの選び方
家庭で飲むならせいぜい1,000円前後。この価格帯は当たりはずれが多い。重厚で高級感ある味は期待できない。ならばフレッシュで口当たりよく飲みやすい美味しいものに当たりたい。白なら何号の若いものを選ぶ、現在出回っているものは2014年が一番若いのでその近くを。赤ならば「ボルドー」と表記されているものが無難。今はチリワインも人気が高い。

クラブ会報・IT委員会 2015年 6月 16日 火曜日 | | 例会